アートの祭り
後(あと)の祭り:祭の終わった翌日。機を逃したあとに悔いても意味がない。手遅れの意。
アートとデザインの違いはなんでしょうか?
「アートは問題提起、デザインは問題解決」なんてことを聞いたことがあるような。
なるほどねえ、と分かった気にさせてくれる言葉だと思います。
広告業界にもアートディレクターやグラフィックデザイナーといった職種の方がいらっしゃいますが。特にアートディレクターを名乗る人たちは、自分のことをアーティスト・芸術家だという認識をお持ちなのでしょうか。
私がまだ広告業界入りたての新人だった頃、ある上司のアートディレクターに「俺たちは芸術家じゃなくて広告屋だぜ、分かってるか?」と言われたことをふと思い出しました。少なくともこの方は自分のことを芸術家とは思っていないようです。
私自身その恩恵には与っていませんが、バブル期の広告はアートっぽかったように思われます。横尾忠則さんみたいにデザイナーからアーティストに転身した人もいらっしゃいますし。しかしあれも景気が良かったからですよね。お金かけてアート的な広告打っても許されたのは。日本全体が祭り騒ぎでなにやっても飛ぶように売れた時代だったと聞き及んでいます。
そう考えると今の時代にアート的な広告は難しいですね。きちんとプロダクトの魅力を伝えないと誰も手に取らない時代です。「なんか良くわからんけど凄そうだ!」的アートな広告では一時話題にはなるでしょうが、それで財布の紐が緩むとは思えません。
今の広告業界、アートディレクター達にとってはバブル期アートの祭りの後の祭りと言った具合でしょうか。
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